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中小企業における粉飾決算の見抜き方

粉飾決算を見抜くポイント


 粉飾の処理は、極めて簡単です。
 粉飾仕訳を1行入力するだけで実行できます。
 その仕訳の金額を変えれば、どれだけの金額でも粉飾可能です。

 しかし、粉飾を行う社長の立場で考えれば、簡単に見つかるような粉飾では意味がありません。
 できるだけ巧妙に粉飾を仕込んできます。
 複数の仕訳に分割して、粉飾処理を行うことの方が多いと思われます。
 そのため、一つ一つの粉飾処理を見つけ出すことは、極めて困難です。

 ここで粉飾決算を見抜くための、とっておきのノウハウを提供いたします。
 粉飾を行うと、利益が水増しされるだけではなく、利益を水増しした金額と同じだけ貸借対照表に不良資産が計上されます。
 さらに翌期も利益を水増しすると、その年度分の水増し額が、前期分の水増し額にオンされる形で、貸借対照表に不良資産が蓄積されます。

 毎期1,000万円の粉飾を続けると、5年後には貸借対照表に5,000万円の不良資産が計上されることになります。

 つまり、粉飾を繰り返さないといけないような赤字体質の会社は、
  「貸借対照表上に不良資産がどんどん貯まっていく」
ことになります。
 ですから粉飾を見抜くためには、損益計算書ではなく、貸借対照表上の不良資産が膨らんでいく状況で判断するとよいのです。





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