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中小企業における粉飾決算の見抜き方

粉飾処理の方法


 役員報酬額等を減額し、ある程度の利益調整を行っても黒字決算にならないくらい業績が悪化すると、あるいは業績の悪い状態が継続すると、あとは粉飾処理をするしか黒字決算を作成する方法がなくなります。

 その場合には、多くの会社が粉飾処理を行っているように思われますが、その方法はいたって簡単です。
 ほとんどの会社(もしくは会計事務所)は、会計ソフトで決算を行っていますが、その会計ソフトに粉飾となる仕訳を一行入力するだけで、簡単に粉飾決算書が出来上がります。

 たとえば500万円の赤字である会社が、10万円の黒字決算にしたい場合、510万円だけ利益を増やす必要があります。
 その場合、架空売上げを510万円分だけ入力すると、簡単に利益10万円の粉飾決算書が完成します。

  (借)売掛金510万円 / (貸)売上高  510万円

という仕訳を一行入力するだけでできるのです。

 在庫を510万円だけ水増ししても、同様に利益10万円の粉飾決算書となります。
 その場合の仕訳は次のとおりです。

  (借)在庫  510万円 / (貸)売上原価 510万円

 別に仕訳を理解する必要はありません。
 簡単にできるということだけ、まずは理解してください。



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