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中小企業における粉飾決算の見抜き方

減価償却費の未計上等について


 有形固定資産が過大である場合についても、貸借対照表上では比較的目立たない場合が多いのですが、その場合は減価償却費の計上不足によって過大計上となっている場合がほとんどです。

 このような場合のチェック方法としては、毎期の損益計算書において減価償却額がどの程度計上されているかを確認するという方法が有力です。
 所有している有形固定資産に対して、減価償却費が損益計算書に毎期いくらくらい計上されているかをみれば、比較的簡単におおよその減価償却不足額を把握することができます。

 しかし、減価償却不足は確かに粉飾決算の一つといえるでしょうが、減価償却費は元々支出を伴う費用ではありません。
 ですから、たとえ減価償却費が計上されておらず、その計上不足を考慮した場合には赤字体質になるような状況であったとしても、中小企業を倒産に追い込むほどの危険性は少ないはずです。

 減価償却不足に対しては、それほど神経を尖らせる必要はないと思います。

 粉飾処理には、その他にもいくつかの方法があります。
 しかし重要なのは、先程説明した2つです。







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