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キャッシュフロー分析の基本

キャッシュフロー分析とは


 キャッシュフロー分析とは、一般的には難しいとか、取っつきにくいと思われているようです。
 確かに、キャッシュフロー分析だけで1冊以上の本が十分書けるくらい、奥が深い面があります。

 解説書の中には、
   資金繰り表
   資金運用表
   資金移動表
   キャッシュフロー計算書
など、いろいろな形式によって、多面的に資金の流れをつかむ方法が説明されています。

 上場企業や大企業の場合、どのように調達した資本が、どこに投下され、どの程度の投資効果が得られたかといった情報は、投資家等にとって重要です。

 一方で、それらを詳しく把握しようとするのは大変です。
 ですから、それらを明らかにするためのキャッシュフロー分析も当然に複雑になっていくため、理解が難しくなってしまいます。

 中小企業の場合は事情が異なります。
 投資家は同族株主である経営者一族だけ、その他の資金調達は金融機関からの借入だけである場合が殆んどです。
 それらの資金が投下されるのも、そのほとんどは本業への運転資金か、それを維持する設備と不動産に対するものだけですし、内容が大きく変化することはほとんどありません。

 そもそも資金調達力の低い中小企業が、多額の先行投資をドンドン行い、黒字だけれども資金がまわらなくて倒産するという、いわゆる黒字倒産になるようなことは、滅多にありません。
 ですから、大企業並みにキャッシュフロー分析をしても、あまり意味がありません。

 中小企業に対するキャッシュフロー分析で大切なのは、本業でお金がまわっているかの一点に尽きると思います。
 そうであれば、キャッシュフロー分析は、それほど難しくありません。



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