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中小企業における粉飾決算の見抜き方

相当額の粉飾を在庫で行う場合


(C:相当額の粉飾を在庫で行う場合)

 ではBと同じ状況に対して、在庫の水増しを使って粉飾をしていたとします。
 その場合はどうでしょう。

 貸借対照表は次のようになります。

   現金預金     10百万円
   売上債権     32 〃
   棚卸資産     34 〃        (15百万円くらい過大な仮払金を含む)
   有形固定資産  15 〃
   その他資産     4 〃   
 -------------------------------
   (資産合計     95百万円)
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 このような説明の途中で、この貸借対照表をみた場合には、棚卸資産が過大であるように感じるかもしれません。
 でも、粉飾の説明などの前置きもなく、この貸借対照表をいきなり見た場合には、特に違和感のない貸借対照表に感じられるのではないでしょうか。

 気が付かれないように粉飾を行おうとする側から考えると、これこそが大事なポイントなのです。




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