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中小企業における収益力とは

交際費による収益力判定方法


 中小企業においては、会社の収益力が上がると役員報酬等を増やす、逆に収益力が落ちると役員報酬等を減らすことが一般的です。
 ですから、役員報酬が増えている会社は儲かっている、減っている会社は収益力が落ちている可能性が高いということは、既に説明したとおりです。

 実は、交際費の増減についても、概ね同じような見方ができます。

   儲かっている時には贅沢に交際費を使う
   収益力が落ちてきたら少し謙虚に使う
   苦しくなったら交際費を極力抑える

というのが、一般的な中小企業の経営者です。
 交際費の増減については、注目すべきでしょう。

 ただし、交際費の使い方には、社長個人の価値観等が強く反映されます。
 儲かっているにもかかわらず交際費を控えめにしている会社(社長)もあれば、収益力が落ちてきているにもかかわらず交際費を抑えられない会社(社長)もあります。
 そのあたりを見ると、社長としての派手さや自分に対する厳しさ等が、ある程度まで伺い知れます。
 役員報酬額等の増減とともに、交際費の増減についても継続的に把握していくことが、中小企業の定量分析のみならず、定性分析においても役立つと思います。

 社長が乗っている車についても、同様に見ておくとよいでしょう。
 派手な外車に乗っているか、クラウンを大切に長いこと乗っているかで、当然に社長のタイプや価値観は異なります。
 後継者にどのような車を与えているかでも、同様な定性情報が得られます。
 できれば減価償却資産の明細書によって、社長や後継者の車が、何年前にいくらで買ったどのような車かを確認しておきましょう。
 交際費による評価を補完できると思います。




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