中小企業の財務分析セミナー・トップ
財務分析セミナー(内容)
セミナー講師より はじめに
中小企業における収益力とは
- ┣ 金融機関における財務分析の問題点
- ┣ 中小企業にとって利益とは
- ┣ 個人と法人を一体判断する際の問題点
- ┣ 会社の収益力が後退する際に現れる兆候
- ┣ 役員報酬等の金額から分かること
- ┣ 注意すべき3つの留意点
- ┣ 交際費による収益力判定方法
- ┣ さらに収益力がアップすると
- ┣ 役員退職金について
- ┣ 所得、税務上の繰越欠損金とは
- ┣ 節税効果の繰り延べ
- ┗ 法人税等を伴わない利益について
中小企業における粉飾決算の見抜き方
財務分析の具体例
中小企業の決算書を読みこなす
キャッシュフロー分析の基本
セミナー講師より さいごに
お問い合わせ
セミナー講師:石田昌宏
石田会計事務所代表
公認会計士
税理士(名古屋税理士会所属)
中小企業における収益力とは
中小企業にとって利益とは
個人事業として年間1,000万円の利益があるならば、業績はそれなりに順調と考えて良いでしょう。
金融機関から見ても、融資の対象先にしやすい優良先として格付けされます。
この経営者が会計事務所を訪れると、
「そろそろ個人事業から法人成りしては如何でしょう」
と勧められます。
なぜなら、その方が税の負担が軽くなるからです。
具体的には、会社を設立して、役員報酬額を1,000万円に設定し、会社の利益はゼロに近い数字になるように指導されます。
役員報酬控除前の利益 1,000万円
役員報酬額 1,000万円
会社の当期純利益(差引) 0万円
そうすると、法人税等はほとんど掛かりませんし、所得税は
個人の事業所得1,000万円×所得税率
であったものが
(役員報酬額1,000万円−給与所得控除額約200万円)×所得税率
となるため、所得税額が何十万円も減少します。
結果として、経営者は所得税が減少した分だけ得をしますし、かといって会社が損をするわけではないので、経営者は前向きにこの提案を受け入れることになります。
(※社会保険料の負担等まで考慮すると、実際の損得判断はもう少し複雑になります。)
会社にとって、利益を獲得することはとても大切です。
しかし、中小企業の場合は少し事情が違います。
会社の利益より、経営者を儲けさせることが優先されます。
なぜなら、ほとんどの中小企業は、経営者自身が得をするために、自ら大株主となって設立した会社だからです。
会社の利益を犠牲にして、というより、税率の高い法人税等を回避するために、わざわざ役員報酬を増額したり、交際費をたくさん使って、会社利益の圧縮に努めているのです。
中小企業の経営者にとっては、会社の利益を必要以上に大きくしないことが、よい経営なのです。
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