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中小企業における収益力とは

法人税等を伴わない利益について


 税務上の繰越欠損金が多額に繰り越されている場合には、その範囲内で計上される利益については法人税等がほとんど課税されません。
 したがって、税務上の繰越欠損金が多額である会社の場合は、対外的によく見せるために、粉飾決算によって多額の利益計上を行っている可能性があります。

 決算書上の利益は多額であるにもかかわらず、法人税等がほとんど計上されていない場合には、財務分析をする上で特に注意が必要です。
 本当に業績のよい会社から、かなり業績が悪い会社まで混在しているため、見方を間違えると大きな判断ミスが生じてしまうからです。

 この7年以内に大赤字を計上したものの、
  現状では本当に多額の利益計上ができるほど儲かっている会社
か、もしくは
  粉飾決算によって業績をよく見せているのか
を、十分に検討する必要があります。

 今までは儲かっている会社を中心に、中小企業の財務分析方法を説明してきました。
 次の項目では、収益力が落ちつつある会社や、赤字体質となってしまっている会社の財務分析方法を説明します。









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