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相続が発生したら

相続手続きについて

相続財産のリストアップ

 葬儀等が終わって1月ほど経過し少し落ち着いてくると、あと何をしたらよいのかが不安になってくると思います。
 何か特別に法的なトラブルでも発生していない限り、特に急いで行った方がよいことは、一般的にはありません。
 時間があるときに少しずつ、名義変更をしたり、相続財産について金額等の確認等を行い、相続財産リストの作成をはじめた方がよい程度です。
 できれば、相続発生から3ヶ月を経過する前に、税理士等の専門家にリストを見てもらい、税務上の手続きが必要かといったことを相談しておくとよいでしょう。

 相続財産のリストを作成するといっても、難しく考える必要はありません。
 この段階における相続財産リストとしては、形式的にはメモ書きで大丈夫ですし、記載項目は、資産の内容と概算での評価額だけで十分です。
 概算の評価額がよく分からない場合には、とりあえず自分が考えている価値を記載しておけば大丈夫です。

 遺産分割や相続税の申告にそのまま役立つよう、しっかりとした相続財産のリストを作成したい方は、資産の種類ごとに次の資料を確認しておくとよいでしょう。


現金
 相続日にいくら現金を所持していたかについては、記録を残しておきましょう。
 所持金がゼロというケースは、一般的には少ないと思います。
 相続の直前に通帳から引き出したお金がある場合には、当該現金は相続日においても現金として残っていたものと推測されます。
 相続日までに使ってしまった金額については、何に使ったか証拠書類とともに残しておくと、思わぬトラブルが回避できるでしょう。

預金
 通帳に記帳をした上で、相続日における通帳残高を確認しましょう。
 相続前後における大きな入出金についても、内容を説明できるようにしておくとよいでしょう。
 その入出金が相続の対象となる資産の額に影響することがあるからです。
 被相続人が管理していた預金については、名義がご子息等になっていたものも含めて、一旦はリストしておくとよいでしょう。
 名義を借りていただけで所有者は被相続人だったものとして、他の相続財産と同じように扱う必要があるかもしれないからです。

生命保険
 生命保険については、保険証書を確認して、名義人、被保険者、保険受取人と保険金額を確認しておきましょう。
 被保険者が被相続人ではない場合には、今までの掛け金の状況まで確認しておくとよいでしょう。

株式や金融商品
 株式や投資信託等の金融商品については、銘柄と株数(口数)を確認しておきましょう。
 また、市場価値があるものについては、市場で成立している相場価格も確認しておきましょう。
 株数(口数)と相場価格を掛け合わせれば、評価額が概ね算定できます。

 非上場株式については、評価の方法が難しいため、とりあえず当該会社の決算書と発行済み株式数、所有している株数を把握しておきましょう。
 相場価格が分からない、あるいは相場価格がないような金融商品等を保有していた場合には、取り扱っていた証券会社等にお願いして、相続日における評価額を概算でよいので提示してもらえるようにお願いしておきましょう。
 証券会社の担当者は、何かと理由をつけて、評価額は概算であっても計算できないといった回答をしてくるケースが珍しくありません。
 その場合でも、相続税の申告のためにどうしても必要なのでといって粘り強く交渉をすれば、多くの場合は最終的には何かしらの評価額が提示してもらえます。

不動産(土地、建物)
 不動産については、所有権や面積等を確認するために、登記簿を取り寄せておくとよいでしょう。
また、毎年4月の下旬頃に送付されてくる固定資産税納付書の控も準備しましょう。
 建物については、その控に記載されている固定資産税評価額が、相続税を計算する際の評価額として用いられます。
固定資産税課税標準額ではありませんので、評価額を確認する際には注意してください。
 土地については、国税庁のホームページに掲載されている路線価図から、当該土地に接している道路を見つけて、そこについているu単価を確認しましょう。
 複数の道路に面している場合には、とりあえずその中から1番高いu単価を確認してください。
 そのu単価に土地の面積を掛け合わせた金額が、相続税を計算する際の評価額として概ね一致してきます。
 その土地のある場所が、路線価図においてu単価を指示されていない場合には、同じく国税庁のホームページにある評価倍率表を見つけて、該当する所在地に設定された評価倍率を確認しましょう。
 その倍率表に記載された数値に、先ほど説明した固定資産税納付書の控に記載された固定資産税評価額を掛け合わせた金額が、相続税を計算する際の評価額として概ね一致してきます。

借入金、その他の負債
 銀行から借入をしていて残高が残っている場合には、相続日における残高も確認しておきましょう。
銀行にお願いすれば、簡単に教えてもらえます。
 それ以外にも、仲の良い知人からお金を借りていたとか、保証人になっていたというような場合には、その状況もできるだけ具体的に確認しておきましょう。
 よく分からないような債務については、きちんと対応しておかないと、ある日いきなりマイナス財産の相続によって、大きな借金を背負ってしまうことになりかねません。
 余裕を持って対応することで、相続放棄等の手続き期限である相続日後3ヶ月までには、そのあたりの対応を完了させられるようにしてください。

その他
 その他については、書画骨董や貴金属など、価値のありそうなものがあれば、だいたいの評価額とともにリストアップしておきましょう。
 評価額が分からなければ、取得金額でも記載しておくとよいでしょう。
 ゴルフ会員権については、相場の金額の確認の上で、記載しておくとよいでしょう。
 中には貸付金や特許権なども所有していた方もお見えになるでしょう。
 リストアップすべきか迷うようなケースでは、とりあえず記載しておいた方が、少なくとも専門家等に相談する際には役に立つと思います。


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以下、目次です。

相続手続きについて

相続後の流れ相続財産のリストアップNow生前の贈与財産等

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遺産分割協議書の必要性遺言書がある場合遺産分割のルール遺産分割協議書の雛形
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■最終更新日 H25.6.11