中小企業の財務分析セミナー・トップ
財務分析セミナー(内容)
セミナー講師より はじめに
中小企業における収益力とは
中小企業における粉飾決算の見抜き方
財務分析の具体例
中小企業の決算書を読みこなす
キャッシュフロー分析の基本
- ┣ キャッシュフロー分析の概略
- ┣ キャッシュフロー分析から分かること
- ┣ キャッシュフロー分析の方法
- ┣ 具体的なキャッシュフローの算出方法
- ┣ A:売上高について
- ┣ B:売上原価について
- ┣ C:販売費及び一般管理費について
- ┣ D:営業外損益、特別損益について
- ┣ E:結論および留意点
- ┣ キャッシュフロー分析の留意事項
- ┣ 固定資産に関するキャッシュフロー
- ┗ キャッシュフロー分析の位置づけ
セミナー講師より さいごに
お問い合わせ
セミナー講師:石田昌宏
石田会計事務所代表
公認会計士
税理士(名古屋税理士会所属)
キャッシュフロー分析の基本
売上原価について
今期の売上原価は68百万円ですが、その全てを今期に支出された訳ではありません。
買掛金や支払手形として計上されているものは、未払いの状態です。
ですから、売上原価に対する今期の支出額を算出するためには、今期末に計上されたままの仕入債務額を控除する必要があります。
と同時に、前期末に計上されていた仕入債権は、前期の売上原価60百万円に対するものであり、今期の売上原価68百万円には含まれていませんが、今期に支払をしたと考えられます。
ですから、先程とは逆で前期末に計上されていた仕入債務額は加える必要があります。
結果として、売上原価に対する今期の支出額は
売上原価に対する今期の支出額
=今期の売上原価−今期末の仕入債務額+前期末の仕入債務額
=68−(8+7)+(9+5)百万円
=67百万円
となります。
しかし、これだけでは未完成です。
売上原価に対する支出額を算定するには、棚卸資産に対する調整の必要です。
今期末に計上されている棚卸資産については、まだ売上原価になっていませんが、支払は済んでいる(あるいは仕入債務として既に調整済みになっている)ので、今期の支出額として追加する必要があります。
同様に、前期末に計上されていた棚卸資産については、前期までに支払済み(あるいは前期末の仕入債務として既に調整済みになっている)にもかかわらず、今期の売上原価に含まれているため、売上原価に対する今期の支出額を考える際には、減額しておくことが必要です。
ですから、売上原価に対する今期の支出額は、
売上原価に対する今期の支出額
=今期の売上原価−今期末の仕入債務額+前期末の仕入債務額
+今期末の棚卸資産額−前期末の棚卸資産額
=68−(8+7)+(9+5)+25−17百万円
=75百万円
となります。
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