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キャッシュフロー分析の基本

固定資産に関するキャッシュフロー


 さいごは、固定資産に対するキャッシュフローの考え方です。
 まず、営業外損益や特別損益に計上されている固定資産の売却損益は、そのままキャッシュフローの額ではありません。

 たとえば、
  簿価100の固定資産を80で売却すると、20の売却損が発生しますが
が、
  費用に計上される売却損20は、支出ではなく80の入金をもたらす
ので、
  キャッシュフロー分析としては入金額80
として取り扱う必要があります。

 そのキャッシュフローについてですが、基本的には定期的に発生するものではないし、不可避的に発生するものでもありません。
 したがって、会社の収益力を資金の収支から把握しようというキャッシュフロー分析の目的からして、固定資産の売却損益は、全く除外して考えればよいということになります。

 同様に、固定資産の取得につきましても、直接的には会社の収益力に関係ないので、除外してキャッシュフロー分析をすればよいといえます。

 お金がまわっているかでどうかで会社の収益力を判断するという目的でキャッシュフロー分析を利用するのであれば、固定資産の取得、売却については、原則として無視して考えればよいと思います。




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