中小企業の財務分析セミナー・トップ
財務分析セミナー(内容)
セミナー講師より はじめに
中小企業における収益力とは
- ┣ 金融機関における財務分析の問題点
- ┣ 中小企業にとって利益とは
- ┣ 個人と法人を一体判断する際の問題点
- ┣ 会社の収益力が後退する際に現れる兆候
- ┣ 役員報酬等の金額から分かること
- ┣ 注意すべき3つの留意点
- ┣ 交際費による収益力判定方法
- ┣ さらに収益力がアップすると
- ┣ 役員退職金について
- ┣ 所得、税務上の繰越欠損金とは
- ┣ 節税効果の繰り延べ
- ┗ 法人税等を伴わない利益について
中小企業における粉飾決算の見抜き方
財務分析の具体例
中小企業の決算書を読みこなす
キャッシュフロー分析の基本
セミナー講師より さいごに
お問い合わせ
セミナー講師:石田昌宏
石田会計事務所代表
公認会計士
税理士(名古屋税理士会所属)
中小企業における収益力とは
役員退職金について
経営者一族が会社から役員退職金をもらう場合、金額については自由に決めることが可能です。
実際に金額を決める際には、退職金を会社の経費に計上することによる法人税等の節税メリットと、退職金をもらうことで個人にかかってくる所得税負担のバランスを考慮して決定されます。
場合によっては、相続税対策を考慮して決定されることもあります。
一般的に、退職金にかかる所得税は、他の所得と比較してかなり優遇されています。
ですから、経営者個人が会社から利益を得る場合に、退職金を取るという方法はできるだけ利用したい方法です。
一方で、過大な役員退職金については、その過大部分だけ法人税法上で費用計上できないため、法人税等の節税メリットが得られません。
したがって、法人税法上で過大と認定されない目一杯まで、役員退職金をもらうという方法が、儲かっている会社における基本的な選択肢となります。
法人税法上で過大と認定されない役員退職金の上限額は、一般的には最終月額報酬に勤続年数を乗じた金額の2〜3倍といわれています。
したがって、役員退職金の計上額が
最終月額報酬×勤続年数×3倍
になっている会社は、役員退職金を目一杯までとっているということなので、今後も収益力があると見込んでいることが推測されます。
ところで、役員退職金は何度でももらえるわけではありません。
法人税法上は、実態として会社の役員を退職した時にのみ、役員退職金として取り扱うことになっています。
通常は一回しか役員退職金がもらえないということです。
役員退職金を節税に使うチャンスは、役員一人あたり1回しかないので、その利用は慎重に行われやすいといえます。
したがいまして、社長、あるいは社長の奥様等をいつ退職させるかについては、財務戦略上の重要なポイントとなります。
逆の見方をすれば、いつのタイミングで、役員退職金の金額をいくらにして退職したかを把握することによって、その会社の収益力を推測することが、ある程度は可能といえます。
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