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中小企業の決算書に対する粉飾決算の見抜き方


粉飾をして利益計上している場合、その粉飾額を差し引いて収益力(赤字の程度)を把握することが大切です。
ここでは少額の粉飾は無視します。
与信判断という目的にとって、重要性が低いからです。
では多額の粉飾はどのように見抜くのでしょう。
答えは、貸借対照表を主に利用して時系列で判断します。

仮払金や減価償却費未計上といった利益操作では、多額の粉飾は困難です。
仮に多額の粉飾をしたとしても、簡単に目に付くので、粉飾を見逃す可能性は高くありません。
恐いのは、在庫の水増しと、架空売上の計上です。
在庫や売掛金は、もともと計上額が大きいので、多少水増ししても目立ちません。
そこをついて多額の粉飾が行われやすいのです。
それ以外の科目で多額の粉飾を行うことはあまり見られません。
(関連会社がある場合には、関連会社を用いて粉飾する事例が珍しくありません。)
粉飾が続くと、水増し金額が年々増加するため、その傾向は貸借対照表から見抜くことができます。

出来るだけ長期間の貸借対照表を並べて、あと、その期間に対応する売上高も準備してください。
そして次の二つの数値がどう推移してきたかを計算してください。
  • 在庫の回転率(日数)
       = 棚卸資産÷(売上高もしくは売上原価÷365日)

  • 売上債権の回転率(日数)
       = 売上債権〔売掛金+受取手形+割引手形〕÷(売上高÷365日)
粉飾をしてきた会社は、これらの数値が増加傾向を示しているはずです。
その増加を粉飾による影響と推定して、水増ししたであろう金額を算出します。
その増加分を分析に用いた期間で按分した結果が、年度の粉飾金額の平均値と推測できます。



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