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財務分析の具体例

回転日数で検討する


 売上高の推移が
  100→100→100→100→100→100
という会社の在庫の推移が
  19→25→24→30→32→34
であるとします。

 在庫の回転日数について、長期の推移をみると
  69日→91日→87日→109日→116日→124日
となります。
 怪しげな増加傾向が簡単に分かります。

 一方で売上高が
  100→115→130→145→160→175
と増加傾向を示している会社の在庫の推移が
  19→25→24→30→32→34
であるとします。

 在庫の回転日数について、長期の推移をみると
  69日→79日→67日→75日→73日→70日
となります。
 とくに怪しげな感じはなくなります。
 実際にも粉飾の可能性は少ないと思われます。

 このように回転日数で長期の推移を見ていくと、在庫や売上債権による粉飾を見つけることが、たいへん楽になります。

 ちなみに、赤字と黒字が交互に発生している会社が、在庫の水増し、粉飾の取崩しを繰り返して、少額の利益となる黒字決算を組み続けると、回転日数も増減を繰り返すことになります。
 赤字の時に回転日数が大きくなり、黒字の時には逆に小さくなります。




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