相続直前の相続対策について
相続発生後に備えて
相続の発生を目の前にして
元気な人がある日突然に、脳卒中や事故等で亡くなるケースを除いて考えてみましょう。相続が発生する前の状況とは、当事者がいつ亡くなるか分からないような状態で入院し、ベッドに横たわっているケースがほとんどではないでしょうか。
そのような状況において、本人に対して相続や遺産分割の話を相談する家族は、実際には非常に少ないのではないかと思います。
本人の方でも死の間際において、そのような話がしっかりとできる人は、ほとんどいないでしょう。
相続を直前に控えて実行可能な節税対策は、実際のところ非常に少ないものと思います。
よく行われていることといえば、ある程度まで本人の預金を銀行等から引き出しておくことくらいです。
これは相続税対策ではないのですが、相続発生後の資金繰りが楽になるため、実際によく行われています。
相続が発生したという情報が銀行等に伝わると、正式な遺産分割協議書等を提出するまで、被相続人の預金は銀行に拘束されることが一般的だからです。
それ以外で相続に関することといえば、当事者本人の意思によって、重要書類の保管場所等について説明を受けたりする程度だと思います。
その段階で遺産分割に関する遺言書が整えられるようなケースは、極めて珍しいと思います。
ただし、気になることがあれば、相続発生前のバタバタした状態であっても、時間を確保して、専門家に相談した方がよいと思います。
少なくとも相続発生後よりは、選択しうる対策は多いからです。
しかし、相続に関する対策は、相続税対策だけでなく、遺産分割や遺言書等についても、元気なときから早めにキチンと対策をしておくことが望ましいと思います。
次は、相続が発生したら