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金融検査マニュアルとは
金融検査マニュアルとは、金融庁の検査官が金融機関を検査する際のマニュアルです。
その内容にあわせて金融機関が行動をとるようになることから、融資を受けている企業にとっては、決して無関係のものではありません。
それどころか、非常に重要な影響を受けることになります。
であるにもかかわらず、その影響が間接的なことから、金融検査マニュアルの内容については、無関心である会社経営者が多いように思われます。
金融検査マニュアルの内容
金融検査マニュアルには、金融機関の法令順守態勢のほか、リスク管理態勢については、
信用リスク、市場関連リスク、流動性リスク、事務リスク、システムリスクに分けて、細かいチェックリストが掲載されています。
その中でも、信用リスクの項目については、経営者であれば概要を理解しておきたいものです。
金融検査マニュアルには、中小企業の債務者区分(格付のようなもの)等を判断するための具体的な事例集として「金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)」があります。
中小・零細企業等の債務者区分については、経営実態を踏まえた判断が必要とされており、この中小企業融資編では、「代表者等との一体性」、「企業の技術力、販売力や成長性」、「経営改善計画等の策定」「貸出条件及びその履行状況」を十分に考慮するように指示しています。
債務者区分とは
債務者区分とは、優良な融資先から順に、正常先、要注意先(要管理先)、破綻懸念先、実質破綻先、破綻先として分類される区分のことをいいます。
その中でも重要なことは、要注意先と破綻懸念先とで、必要な貸倒引当金額が全く異なるということです。
要注意先に対しては債権額の数パーセント、破綻懸念先では保全不足額の70パーセント前後が貸倒引当金として計上されるため、どちらであるかは金融機関の融資姿勢に大きな影響を及ぼすからです。
破綻懸念先と判断されてからでは、追加の融資は不可能に近くなります。
債務者区分ではありませんが、要注意先はさらに細かく「要管理先」と「その他要注意先」とに分けられます。
金融機能再生緊急措置法においては、要注意先に対する債権のうち、「3ヵ月以上延滞債権および、貸出条件緩和債権(経済的困難に陥った債務者の再建または支援を図り、当該債権の回収を促進すること等を目的に債務者に有利な一定の譲歩を与える約定条件の改定等を行った貸出債権)」を「要管理債権」といい、そのような債権を有する先を要管理先としています。
そのような借入のない要注意先が、その他要注意先である。
当然、その他要注意先より要管理先のほうが引当が大きくなるため、借入金利も高く設定されます。
金融検査マニュアル対策とは
金融機関の融資姿勢や金利水準は、金融検査マニュアルにある債務者区分によって、大きく影響を受けます。
しかがって、融資を受けている会社においては、金融機関における企業格付を意識し、より低金利で融資を受けるための会計・財務戦略が重要となります。
自己資本比率を高めたり、経常利益の水準を高めるなどの配慮をすることによって、有利に資金調達を行うことは、勝ち組の条件です。
最近では、平成16年2月に金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)が改訂されたこともあって、キャッシュフローに対する戦略がますます重要になっております。
借入を行っている経営者が取るべき対応
基本的に正常先と判断してもらえるよう、債務超過ではない状態で黒字を計上し続けることが、有利な金利条件を得るために大切となります。
それが、業況の悪化とともに赤字を計上し、その他要注意先と判断されるなると、金利アップの交渉を受けるようになります。
しかし、そこで留まるよう、また、できるだけ早急に正常先に戻れるように事業計画を検討し、経営改善をする必要があります。
少なくとも、要管理先あるいは破綻懸念先と判断されないように、様々な対応を講じる必要があります。
そのために、増資や合併、営業譲渡など、対応にはいろいろな手法が考えられます。
金融機関の言いなりに遊休資産を売却し、リストラを行っても、それだけでは金融機関が
融資の支援体制を維持してくれるとは限りません。
というより、まったく逆のこと(つまり融資の回収を促進させているだけのこと)の方が多いように思われます。
一昔前のように甘えた対応は、徐々に許されなくなりつつあります。
金融機関の融資判断に対する理解を深め、より有利に会計・財務戦略を取れるよう、いろいろ考えることも、経営者として無視できない重要な仕事です。
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